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第3部 NTT三重支店 |
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1997年9月18日、年内にはOCNエコノミーを利用できそうにないので、OCNエコノミーの区域外接続の見積を、NTT三重支店の担当者に依頼した。区域外接続とは、近隣のサービス地域から専用線を引いて、OCNエコノミーを利用するものである。すると、OCNエコノミーの利用料金に加え、月々の高価なHSD専用線の料金が必要で、施設設置負担金は必要でないことが分かった。
施設設置負担金は不要で初期費用が少なくて済むにしても、区域外接続は月々のランニングコストがかかりすぎる。安価なディジタルアクセス専用線も利用できず、高価なHSD専用線のみであり、HSD専用線の料金が月々10万円以上必要だ。月々3万8000円のOCNエコノミーを利用するために、月々10万円以上の料金を別に払うことなど考えられない。こんなにも費用がかかるのなら、OCNエコノミーを利用しなくても、一般のプロバイダとディジタルアクセス64による専用線接続を選択する方が賢明である。OCNエコノミーの区域外接続は考えないことにした。
このとき、私の住む伊賀町へのサービス提供エリアの拡大の予定も併せて聞いた。回答は、「第4四半期(3月頃)提供予定の可能性があるのみで、はっきりとは決まっていない。区域外接続でよければ検討してほしい。」とのこと。進展は見られない。
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9月23日、新聞の折り込みに、NTT三重支店からOCNのチラシが入った。それには、「OCNダイヤルアクセスのアクセスポイントが三重県全域に」との文章とともに、「OCNエコノミーも提供地域を順次拡大中」とある。当時三重県内でのOCNエコノミーのサービス提供地域は四日市市と津市の一部地域だけで、その他の地域は提供開始の予定も立っていない。そんなときに折り込みチラシを入れるとはどういうつもりだ!と、再び怒り、申し込みはがきを切り取り、「OCNエコノミーを申し込みたい」と書いてポストに入れておいた。
10月29日、インターネットマガジン12月号(インプレス)にOCNの特集記事を見つけ、早速購入した。特集記事中に、OCNエコノミーのアクセスポイントマップがあり、これを見て驚いた。
私の住む三重県には、サービス提供エリアを示すマークが四日市市、津市、鈴鹿市のわずか3ヶ所しかなく、三重県の地図はスカスカである。他の都道府県は、提供エリアを示すマークで埋め尽くされていて、隣の滋賀県などは、入り切らなくてマークがはみ出している。調べてみると、OCNエコノミーの提供エリアがもっとも少ないのは沖縄県の2ヶ所で、三重県はそれに次ぐワースト2位の少なさである。
滋賀県や香川県はサービス提供エリア数が非常に多く、山間部の町や、離島にまで提供エリアが広がっていて、OCNエコノミーへの意気込みがうかがえる。隣の滋賀県甲賀町も提供エリア内である。これに対して三重県はたったの3ヶ所である。NTT三重支店は、OCNエコノミーをやる気がないとしか言いようがない。
記事には、庄子課長のインタビューもあり、OCNエコノミーの加入者数についての話があった。これによると、8月末現在で全国のユーザー数は3400件、うち、関東が2000件、関西が600件であるに対して、三重県の含まれる東海に至ってはわずか100件だそうである。サービス提供エリアもないのだから、ユーザー数が増えるわけがない。NTT三重支店だけがやる気がないのではなく、NTT東海支社がOCNエコノミーをやる気がないのがこれで明らかになった。
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